世紀ぶりの新規参入球団は、IT(情報技術)関連企業「楽天」に決まった。ライブドアとの比較審査で日本プロ野球組織(NPB)のオーナー会議が決め手としたのは、「経営体力」だった。選手会のストライキやさまざまな不祥事で揺れる中で行われた審査には、疑問や課題も指摘される。楽天の球団経営は、はたしてもくろみどおりに進むのか。新たな球団を迎えた球界は、まさにこれからが改革に向けた正念場だ。【冨重圭以子、位川一郎、田中義郎】
◆地元ファンの意見は
NPB側は、ライブドアと楽天両社について、「ともに成長企業で熱意もあり、参加資格はある」と認めたうえで、「経営体力」をポイントに楽天を参入球団に選んだ。
パ・リーグ各球団の平均赤字をベースに、新球団の初年度の赤字を最悪40億円と想定した場合、ライブドアは経常利益50億円の80%が消える。145億円の楽天の影響度は27.6%。「赤字が出れば親会社が補てんすることになる。球団経営が本体に与える影響度を考えた」との説明だった。
審査の透明性も強調された。両社の財務分析は監査法人に委ね、ヒアリングも公開。審査報告書もマスコミに配布した。
それでも審査過程に疑問が指摘されるのは、早い段階から球界内部で「楽天で決まり」との声が聞かれたからだ。
ライブドアの堀江貴文社長が6月に近鉄買収の名乗りを上げた際、当時の巨人の渡辺恒雄オーナーは「僕も知らんような人を入れるわけにはいかない」と言い放った。
既存球団の経営者に挑戦的言動を繰り返し、公式の場でもノーネクタイ。選手年俸の一部にストックオプション(自社株購入権)導入をうたうなど、球界の枠にはまらない堀江社長に、球界幹部らの反発や警戒は強かった。NPB側は、選手会顧問弁護士と堀江社長の関係にまで神経をとがらせた。楽天の三木谷浩史社長が経済界の大物を新球団の経営諮問委員会に並べ、安心感を与えたのとは対照的だった。
ライブドアの経営体質に疑問を抱かせる情報が水面下で流れた。公開ヒアリングの場でアダルトサイト問題が取り上げられた際も、ライブドアに厳しい質問が集中した。
NPB側の審査資格も問われた。夏以降、不正スカウト問題などで4球団のオーナーが辞任表明した。新規球団の経営を厳しく審査しながら、NPBの各球団は財務内容を開示しておらず、Jリーグなどと比べて「経営が不透明」と批判されているのが実情だ。
審査項目に「地元ファンの意見」が盛り込まれなかったことも、今後の課題となりそうだ。
◆ネット増収策
IT企業で初のプロ野球参入となる楽天。三木谷社長は「最低でも4年目に黒字化できる」と自信を見せる。
本業のネットビジネスを通じた球団の増収策として、楽天は(1)試合中継(2)チケット販売(3)グッズ販売−−を挙げる。チケットやグッズは、国内最大3万7000の契約企業を持つ仮想商店街「楽天市場」で販売。楽天は「本業への波及効果は球団の赤字を上回る」とみており、長谷部潤・大和総研シニアアナリストも「参入で知名度が上がれば一番カネを持っているシニア層を電子商取引に取り込める」と指摘する。
一方、パの球団幹部らの間には、なお楽天の球団経営に懸念の声がある。慢性的な赤字に苦しむパの各球団。年間300万人以上の観客数を誇るダイエーでさえ、02年約10億円、日本一になった03年も5億円の赤字を抱えた。楽天はネット中継も含めた放映権収入を10億円と見込むが、ダイエーの02年の放映権収入は総額8億円。「楽観的すぎる」との指摘もある。
一方で戦力増強への投資を惜しみ、チームが弱ければ、観客は増えず、ネット中継やグッズ販売の売り上げも伸び悩む悪循環に陥りかねない。
2日の東京株式市場で楽天とライブドアの株価はともに上昇。楽天は「前祝い」、ライブドアは「球団運営による財務悪化回避」と正反対の理由で買いが入ったようだ。
結果としてはやっぱりという感じもする。
企業の成績かんがえるとしょうがないともいえる。
また他球団のオーナーもやりやすそうだしね。笑
でも、個人的にはライブドアの方が好きだったんだけどね〜。
あの堀江社長は出始めに受けた印象より先見の明があると思った。
それは
最初に本拠地を仙台に選んだこと
楽天が神戸や長野などいろいろ模索してたときに
スパっと仙台を選んだのはすごいと思った。
だからこそ地元の評価が高かったのだと思う。
なにはともあれ楽天にはがんばってほしいとは思う。
来年楽天にどんな選手がいるのか
非常に注目してるチャップマンでした
コメント